これは、次回の本焼きに使う釉薬ではなく、その次以降に使うためのもの。調合ミスや原料のばらつきなどで同じように焼けないこともあり得るので、釉薬を調合した後には必ずテストピースで試し焼きをして、問題ないことを確認してから今までの釉薬に注ぎ足して使うようにしている。幸い、今まで原料のりんご灰、益田長石ともに品質が安定していて、調合ミスもなく、スムーズに進んでいる。同じように作るということは、当たり前のことではなく、粘土も含めた原料の品質が安定していることが前提条件となる。何ともありがたいことだと思う。
調合する時、お湯を入れた樽に、まずは灰を分量入れて、その後長石を加える。灰と長石は自然と水分を吸って、沈んでいく。長石の方が灰より重くて沈殿しやすいので、先に灰を入れるようにしている。その後、手で混ぜ合わせる。水分が多いと混ぜにくいので、はじめに入れるお湯の量は少なめにして、混ざりあってからさらにお湯を足し、適した濃度にだいたい調整して、篩に通す。(水ではなくお湯を使うのは、北海道ではだいたいの季節で水で作業すると、手が冷たくなってつらいため。)
篩に通した後、比重計で濃度を調整する。
ここまでくれば、テストピースに施釉できる。
釉薬は、すぐに沈殿し、再び混ぜ合わせるのに時間がかかるので、あまり時間を置かないでテストピースに施釉できると作業が効率よく進む。
本焼きでうまく焼けてくれることを願いつつ。
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